
新幹線で途中下車するにはどうしたらいい?
新幹線に乗るとき、通常は出発駅から到着駅までのチケットを購入しますが、発着駅の間の駅で降りたいときは、途中で下車することは可能なのでしょうか?
結論から伝えると、新幹線は途中下車することができます!
しかし、途中下車にはいくつかのルールがあり、場合によっては大きな損をしてしまうケースもありますので、要注意。
そこで今回は、新幹線の途中下車の正しいルールや損をしない方法、途中下車をする際の流れなどについて詳しくご紹介していきます。
- 損をしないためにも途中下車のルールが知りたい
- 賢く途中下車して旅を満喫したい
- 自分の持っている新幹線チケットは途中下車できるのか確認したい
- 途中下車する必要が出てしまいどうしたらいいか分からない
- 途中下車の方法(仕方)が全く分からない
といった理由でお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
新幹線を途中下車するための正しいルールをご紹介!
それでは早速、新幹線の途中下車の正しいルールについてご紹介していきます!
新幹線を途中下車するための正しいルールは、
- 途中下車とは、旅行途中(乗車券の区間内)の駅でいったん改札口の外に出ること
- 途中下車ができる乗車券は、片道の営業キロが101キロ以上のものに限る
- 途中下車できるのは、乗車券の有効期間内のみ
- 特急券・急行券・グリーン券・寝台券・指定席券・乗車整理券・ライナー券には、途中下車の制度はない
- 乗車券は券面に表示された区間内で、後戻りしない限り何回でも途中下車ができる
- 都区内・特定市内発着となる乗車券では、同一の都区内・特定市内の駅では途中下車できない
- 新幹線回数券などの一部の割引きっぷは途中下車できない
です。
これらのルールについては、下記でポイントごとにまとめて詳しくご紹介していきますので、チェックしてみてください。
新幹線を「途中下車」するってどういうこと?注意点は?
まずは、
という部分について。
JRが定義する「途中下車」とは、乗車している新幹線からホームに降りて、新幹線専用の改札口を通過して外へ出ることを意味しています。
そのため、乗車している新幹線からホームに降りるだけでは、途中下車にはなりません。
乗車している新幹線が駅で停車している間に、ホームにある売店で飲み物を買うために列車から降りたりすることは、途中下車ではないということです。
途中下車となるケースを例えてご紹介するなら、東京駅から新大阪駅までの新幹線チケットを持っていて、途中の名古屋駅で新幹線から降り、そのまま改札口の外に出る。
こういったケースは「途中下車」となり、途中下車した名古屋駅から新大阪駅まで、もう一度新幹線を利用することができます。
ただし、このケースで再利用できる(名古屋駅から新大阪駅までもう一度使用できる)のは乗車券のみとなり、特急券は名古屋駅で改札口を出た瞬間に無効となってしまいます。
新幹線での途中下車とは、
- 乗車していた新幹線を途中の駅で降り、そのまま改札口の外に出ること
- 途中下車は乗車券にだけ認められているルール
と覚えておいてください。
新幹線で途中下車ができるのは片道101キロ以上の乗車券だけ!
次は、
というルールについて。
営業キロというのは、JRが定める運賃(乗車券代)を計算するための距離のことです。
列車に乗って移動する距離が長くなればなるほど、営業キロも長くなり、乗車券代も高くなります。
途中下車が認められている乗車券は、この片道の営業キロが101キロ以上。
この片道営業キロ101キロ以上を、乗車券代にするといくらになるのかを、一覧表にまとめてみました。
路線名 | 乗車券代 |
---|---|
東海道新幹線 東京-新大阪 |
1,940円~ |
山陽新幹線 新大阪-博多 |
1,940円~ |
東北新幹線 東京-新青森 |
1,940円~ |
秋田新幹線 盛岡-秋田 |
1,940円~ |
山形新幹線 福島-新庄 |
1,940円~ |
北陸新幹線 東京-金沢 |
1,940円~ |
上越新幹線 東京-新潟 |
1,940円~ |
北海道新幹線 新青森-新函館北斗 |
2,160円~ |
九州新幹線 博多-鹿児島中央 |
2,130円~ |
つまり、東海道新幹線なら、チケットを購入するとき、乗車券代として1,940円以上支払っているなら、途中下車が可能ということです。
すでに購入済みの新幹線チケットが途中下車できるのかどうかを確認したい方は、乗車券代を上記の表と比較してチェックしてみてください。
また、乗車券に「下車前途無効」と書かれていることがありますが、これは途中で下車したら、その下車駅で乗車券を回収するので、目的地まで行けなくなりますよ、ということを意味しています。
そのため、途中下車が可能な乗車券なのかどうかは、
- 乗車券代として片道営業キロが101キロ以上となる金額を支払っているか?
- 乗車券に下車前途無効と記載されていないか?
をチェックしましょう。
新幹線の途中下車は後戻りしなければ何回でもできる!
次は、
というルールついて。
例として、東京駅から新大阪駅までの新幹線チケットを購入しているとします。
この場合、券面に東京都区内ー大阪市内(東京都区内から大阪市内まで乗車することができる)と記載された乗車券を購入していますので、この区間であれば、途中下車することができます。
そのため、東京駅から乗車して、新大阪駅までの間の駅であれば、何度でも途中下車(新幹線を降りて改札口の外に出る)が可能になります。
ただし、後戻りは禁止。
東京駅から名古屋駅で途中下車し、名古屋駅から品川駅まで戻って、品川駅から新大阪駅に向かうことはできないというルールがあります。
東京駅から新大阪駅までの乗車券は、東京駅から新大阪駅まで行くことを目的としているため、その目的に沿った経路(ルート)に正しくないと途中下車は認められないということです。
逆に言えば、ルートに正しいのであれば、東京駅から新大阪駅までの乗車券を持っていて、静岡駅で途中下車した後に、乗車券を使わずバス等の別の手段で豊橋駅まで行き、豊橋駅から新大阪駅まで同じ乗車券を利用するということも可能。
後戻りさえしなければ、どの駅で途中下車しても、途中下車した駅とは別の駅であっても目的地まで再度乗車券を利用することができます。
途中下車するときは、乗車券の有効期間に注意!
次は、
というルールについて。
上で新幹線の乗車券は後戻りしなければ(目的地までの正しいルートであれば)、何度でも途中下車が可能だとご説明いたしましたが、これは乗車券の有効期間内に限られます。
乗車券には有効期間があり、その日数は営業キロによって定められていますので、まずはこちらを一覧表にまとめていきます。
片道営業キロ | 有効期間 |
---|---|
100kmまで | 1日 |
200kmまで | 2日 |
400kmまで | 3日 |
600kmまで | 4日 |
800kmまで | 5日 |
1,000kmまで | 6日 |
1,200kmまで | 7日 |
1,400kmまで | 8日 |
1,600kmまで | 9日 |
1,800kmまで | 10日 |
上の一覧表が乗車券の有効期間となり、往復で乗車券を購入した場合、片道の有効期間の2倍となります。
東京駅から新大阪駅までの乗車券を往復で購入したなら、片道営業キロが552.6kmなので600kmまでの4日となり、往復なので乗車券の有効期限はその2倍の8日となるわけです。
もし、すでに新幹線の切符を購入されているなら、一度乗車券の券面をご覧ください。
お持ちの切符の有効期間が記載されているかと思います。
途中下車は、その有効期間内でしか認められていません。
つまり、新幹線で4月1日東京駅を出発して、最終の目的地が新大阪駅だとする場合、乗車券の有効期間は4日間なので、4月4日まで使用することができます。
その間の名古屋で途中下車したら、4月4日までに名古屋駅から新大阪駅まで向かう必要があります。
名古屋駅で途中下車して、4月5日に新大阪駅に向かおうとしても、有効期間が切れているため乗車券は残念ながらただの紙切れとなってしまい、再度名古屋駅から新大阪駅までの乗車券を買いなおさなければなりません。
こういった場合は、東京駅ー新大阪駅で途中下車するのではなく、事前に東京駅ー名古屋駅・名古屋駅ー新大阪駅といったようにそれぞれの区間を切り離して乗車券を購入しておきましょう。
「途中下車は乗車券の有効期間内のみ」というルールは忘れてしまいがちなポイントなので、損をしないためにもしっかり押さえておきましょう!
特急券やグリーン券は下車前途無効!途中下車できないので気をつけましょう
次は、
というルールについて。
上でも少し触れましたが、途中下車は乗車券にのみ認められているルールです。
そのため、東京駅から新大阪駅までの新幹線チケットを購入して、名古屋駅で途中下車した場合、乗車券は名古屋駅から新大阪駅までもう一度利用することができますが、特急券は名古屋駅で下車した瞬間に無効となってしまいます。
新幹線を利用するには特急券と乗車券を購入する必要がありますので、上のような例で途中下車することを考えているのなら、
- 乗車券は東京駅から新大阪駅まで
- 特急券は東京駅から名古屋駅、名古屋駅から新大阪駅
といったような方法で購入すると、損をすることはありません。
途中下車のルールを利用して賢く旅を楽しみたい方は、ぜひ実践してみてください。
要注意となる新幹線で途中下車できないエリア!都区内・特定市内発着とは?
次は、
というルールについて。
JRでは、
- 札幌市
- 仙台市
- 東京23区
- 横浜市
- 名古屋市
- 京都市
- 大阪市
- 神戸市
- 広島市
- 北九州市
- 福岡市
を「特定都区市内」としています。
そして、特定都区市内に該当している駅から出発(または到着)する場合で、片道の営業キロが200キロ以上あれば、乗車券には「都区内」や「市内」と記載され、移動できる範囲が広がります。
例えば、東京駅から新大阪駅までの新幹線チケットを購入する場合、東京駅は東京23都区内の駅なので「東京都区内」となり、新大阪駅も大阪市内の駅なので「大阪市内」と乗車券に記載され、実際に新幹線を利用する区間は東京駅からであっても、自宅が池袋なのであればJR池袋駅から乗車券を利用し、東京駅で新幹線に乗り換え、新大阪駅に到着してからさらに乗り換えて大阪市内のJR天王寺駅まで行くことができるという特例です。
追加料金を支払うことなく乗車できる区間が広がりますので、ぜひ覚えておいてください。
そして、途中下車する際においてのポイントは、この特定都区市内の駅では、同じ都区内・市内の駅での途中下車はできないという点です。
これはどういうことかというと、東京駅から新大阪駅までの新幹線チケットを持っているとして、新大阪到着後に下車してしまう(改札口の外に出る)と、同じ乗車券で新大阪駅から大阪市内の駅である大阪駅や天王寺駅まで行くことはできないということです。
東京駅から名古屋駅で途中下車して、名古屋駅から大阪市内の天王寺駅まで行くことはできますが、新大阪駅に到着してから在来線に乗り換えず改札口の外に出てしまうと、乗車券の役目は新大阪駅で終わってしまい、回収されてしまいます。
東京都区内の乗車券なら、東京駅(または品川駅)に到着して、在来線に乗り換えて新宿駅で下車、その後同じ乗車券で新宿駅から池袋駅に行くといったような途中下車はできません。
この場合なら、乗車券は新宿駅で下車する際に回収されてしまいます。
都区内・市内の乗車券は、乗下車できる範囲が広がるだけで、その区間が有効期間内ずっと乗り放題になるフリーパスではありません。
目的の駅で下車したら乗車券は役目を終えますので、東京都区内なら都区内のどの駅で下車するのかをしっかり決めておきましょう。
ちなみに、乗車券に「山手線内」と記載されている場合もこれらと同じ条件となります。
都区内・特定市内の駅が具体的にはどの駅なのかチェック!
どの駅が「都区内・特定市内」に指定されているのかを詳しく知りたい方は、下記をご参考ください。
札幌市内の駅

引用元:JRおでかけネット
仙台市内の駅

引用元:JRおでかけネット
東京23区内の駅

引用元:JRおでかけネット
横浜市内の駅

引用元:JRおでかけネット
名古屋市内の駅

引用元:JRおでかけネット
京都市内の駅

引用元:JRおでかけネット
大阪市内の駅

引用元:JRおでかけネット
神戸市内の駅

引用元:JRおでかけネット
広島市内の駅

引用元:JRおでかけネット
北九州市内の駅

引用元:JRおでかけネット
福岡市内の駅

引用元:JRおでかけネット
途中下車ができない新幹線チケットってどんなもの?
次は、
というルールについて。
新幹線の回数券はお得で便利ですが、途中下車することはできません。
いわゆる「下車前途無効(目的地への道程の途中でも、改札口から出てしまったらそこから先には行けない)」の切符です。
東京都区内と大阪市内を行き来できる新幹線回数券は、その区間を行き来することでのみ使える格安チケットなので、途中の名古屋駅で下車してしまうと、そこで回収となります。
正規料金から割引されたきっぷはたくさんあり、これらは途中下車することができませんので、新幹線回数券や割引きっぷは途中下車をしないスケジュールのときに利用しましょう。
途中下車ができない新幹線の回数券にはどんな種類がある?
新幹線の回数券で途中下車ができないのは、
- 東海道・山陽新幹線回数券<普通車自由席用>
- 東海道・山陽新幹線回数券<普通車指定席用>
- 東海道・山陽新幹線回数券<グリーン車用>
- こだま号専用グリーン回数券
- 岐阜新幹線スーパー回数券
- 東京新幹線回数券
- 東京新幹線自由席回数券
- フレックス用こだま号グリーン回数券
- 九州新幹線2枚きっぷ
- B&Sみやざき2枚きっぷ
- 東北新幹線回数券
- 山形新幹線回数券
- 上越新幹線回数券
- 北陸新幹線回数券
- 東北新幹線Wきっぷ
- 秋田新幹線Wきっぷ
- 上越新幹線Wきっぷ
- 北陸新幹線Wきっぷ
- こまち4枚新幹線
- 新幹線自由席回数券
- 新幹線自由席用早特往復きっぷ
が挙げられます。
これらの切符を利用するときは途中下車できませんので、頭に入れておきましょう。
オンラインサービスで手に入れた新幹線チケットも途中下車できません!
新幹線チケットには、通常料金よりも安く購入できるサービスが複数あります。
特にオンライン上で入手可能な割引チケットは、とてもお得で種類も多いのですが、これらは基本的に途中下車できません。
代表的なサービスをあげると、「スーパー早特きっぷ」や「えきねっとトクだ値」などがこれにあたります。
こういったオンラインサービスの割引チケットで途中下車してしまうと、改札口を通過した時点で無効となり、さらには、通常料金で利用した区間のチケット代を支払わなければならなくなるケースも出てきます。
非常に大きな損をすることになるので、新幹線のチケットをオンラインで購入する際には十分に気を付けるようにしてください。
旅行会社のツアーで使用するチケットも途中下車できません!
新幹線のチケット単体の購入ではなく、旅行会社の商品としてツアーに申し込み、それによって新幹線のチケットを手に入れることもできますが、これもオンラインで購入可能なチケットと同様に、ほぼ全てのケースで途中下車ができないルールとなっています。
途中下車したときの扱いも同じです。
それ以降はチケットが一切使えなくなるか、または、チケット料金の全てを通常料金で支払うことを要求されてしまいます。
「ぷらっとこだま」や「バリ得こだま」は新幹線のこだまに関する商品ですが、これも全て同じルールとなっているので、旅行会社などを通じて新幹線のチケットを手に入れる予定がある方は、途中下車の可能性も少々考えながら予約や購入をしたほうがいいかもしれません。
新幹線で途中下車する方法は、自動改札機にチケットを通すだけ!
新幹線で途中下車する方法は、いたって簡単。
乗車したときと同じように、乗車券と特急券を自動改札機に通すだけです。
「自動改札機に通して、乗車券が出てこなかったら(回収されたら)どうしよう・・・。」と不安な方もいるかもしれませんが、安心してください。
途中下車するために自動改札機に通して、乗車券が出てこなかった(回収された)場合に考えられるのは、
- 「下車前途無効」や「途中下車できません」と記載された、もともと途中下車ができない切符だった
- 上で説明した東京23区・特定市内発着の乗車券で、途中下車できない同一エリアだった
ということ。これらは、ここまでご覧いただいている方なら大丈夫です。
そして、たまに自動改札機に通すとエラーで返ってくることがありますが、こんなときも焦ることなく駅の係員に事情を話しましょう。
そうすれば、有人の改札口から途中下車することができます。
「自動改札機に乗車券を通して途中下車をするのはどうしても不安」という方は、最初から有人の改札口に向かうのも良いかもしれませんね。
最後に新幹線の途中下車についてまとめます!
新幹線の途中下車についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
新幹線の途中下車についてまとめると、
- 新幹線の途中下車とは、乗車している新幹線から降りて、改札口の外に出ること
- 途中下車ができるのは、片道101キロ以上の乗車券のみ
- 出発地から目的地までを後戻りさえしなければ、何回でも途中下車できる
- 途中下車するときは、乗車券の有効期間に注意する
- 特急券やグリーン券に途中下車の制度はない
- 都区内や市内と記載されている乗車券は、同じ都区内・市内の駅では途中下車できない
- 新幹線の回数券や割引きっぷ、オンラインサービスやツアーなどで手に入れた安いチケットは途中下車できない
- 自動改札機にチケットを通せば途中下車できる
- 途中下車した駅と違う駅であっても、ルートが正しければ、同じ乗車券で目的地まで行くことができる
となります。
途中下車ができるのは、鉄道の醍醐味。
有効期間やルートなどにさえ気をつけさえすれば、その他の交通手段よりお得に旅を楽しむことができますので、ぜひ実践してみてください。