
新幹線の往復割引にはどんなルールがある?
新幹線に乗る時、多くの人が“行って、帰る”という流れになるのではないでしょうか。
つまり、新幹線に乗ってどこかに行けば、当日なのか数日後なのかは人によって違うものの、おそらく多くの人がまた戻ってくるはずです。
出張などであれば何週間や何ヶ月もの間戻ってこないので関係ないかもしれませんが、それ以外の多くの人が利用するであろう新幹線の「往復割引」について説明していきたいと思います。
ざっと簡単にこのJRの往復割引を説明しておくと、営業キロが601kmを超えた場合、運賃が10%OFFになるサービスがこれです。
行きと帰りで別々のきっぷを購入するよりも、往復分をまとめて買った方がお得に新幹線を利用できるというわけですね。
それを踏まえた上で、この往復割引について、さらに詳しく見ていきましょう!
距離が601km以上で同一区間の利用時のみ
新幹線を正規料金よりも安く利用することができる往復割引のサービス。
往復乗車券は運賃計算の元となる営業キロにかかわらず販売はされています。
しかしながら、往復割引が適用されるのは片道で601km以上の時のみです。
この距離を超えて新幹線に乗る場合には、運賃が10%割り引かれることになるわけです。
距離の他にもう一つ注意点があります。
それは、行きも帰りも同じ区間でなければならないこと。
2つの同じ駅の間で行き来する時にのみ、この往復割引が適用されることを押さえておきましょう。
覚えておくと便利?往復割引後の運賃の算出の仕方
すでに説明している通り、規定をクリアすれば運賃の10%が割り引かれるJRの往復割引サービス。
このサービスの適用を受けると、まず、片道あたりの運賃を10%OFFとし、1円の位を切り捨てスッキリとさせてから、その額を倍にします。
この計算方法で出てきた数字が、往復割引適用後の往復運賃となります。
例えば、東京駅と岡山駅で、この往復割引サービスを利用するとします。
東京駅と岡山駅は約733kmあるので、問題なくこのサービスの利用が可能になります。
その上で、この距離から片道の運賃は10,480円であることがわかりますから、これを10%OFFにします。
出てきた数字は9,432円。1円の位を切り捨てるので、つまり片道の金額は9,430円となります。
往復分のきっぷを購入するので、この金額を倍にして、18,860円という数字が出てきます。
これが東京駅と岡山駅の間を行き来するために必要な料金となるわけです。
往復割引を利用しない時の金額は往復分で20,960円なので、2,100円もお得に利用できる計算になりますね。
かなり安くなることがわかるのではないでしょうか。
往復割引サービスを利用するためのもう一つのルール
営業キロをクリアしているかどうか、そして、同一区間で利用するかどうかの他に、もう一つ往復割引サービスを利用するためのルールがあります。
それは、行きと帰りのチケットを同時に購入すること。
行きのきっぷだけを先に購入し、後で帰りのきっぷを購入するという買い方はできませんので注意しておきましょう。
注意しておきたい有効期間
往復割引サービスを利用して往復分のチケットを同時に購入したとしても、それでいつでも帰りのチケットが使えるというわけではありません。
「1年後には必ず帰るから、その時のためにお得な往復チケットを買っておこう」ということはできないのです。
片道の営業キロによって、往復乗車券の有効期限が定められています。
これを超えない範囲で利用しなければいけません。
- 601kmから800kmまでは【10日間】
- 801kmから1000kmまでは【12日間】
- 1001kmから1200kmまでは【14日間】
- 1201kmから1400kmまでは【16日間】
- 1401kmから1600kmまでは【18日間】
上記のように有効期限が決められているのですが、例えば、東京駅から岡山駅は上でも触れたように営業キロの片道が約733kmなので、10日間の有効期限ということになります。
東京駅から新青森駅も同じ10日間です。
東京駅から広島駅や函館駅で利用するのであれば12日間ですし、東京駅から新山口駅や博多駅であれば、14日間となっています。
さらに、東京駅と熊本駅の往復は16日間の有効期限となっており、東京駅と鹿児島駅の往復であれば18日間です。
ただ、「EX予約サービス」や「スマートEX予約サービス」を利用すると、往復割引が適用された上に、この期間が最も長くて1ヶ月となります。
覚えておきたい往復乗車チケットの特例とは
往復割引サービスを利用して新幹線に乗ると、行き先によっては、間に新下関~博多が含まれるケースも出てくるでしょう。
この場合、一方が山陽新幹線を経由し、もう一方が山陽本線・鹿児島本線を経由したとしても、往復乗車券の適用とすることができます。
このケースでは、新幹線と在来線で運賃が異なるため、どちらを利用したのかで金額が変わってきます。
JR九州とJR西日本では運賃の設定方法が違ってくるのですが、両者を比較した場合にはJR九州の方が高くなり、そのため、新幹線を利用した方が往復運賃に関しては低料金とすることができます。
10%OFFになるのは「運賃のみ」
往復割引サービスが適用されれば、新幹線を10%OFFの金額で利用できるわけですが、この割引率が適用されるのは運賃のみとなっています。つまり、
新幹線に乗車の際に購入しなければならない特急券は割引対象にはなっていないわけです。
特急券を正規の価格で購入すると、運賃+特急券で出てきた金額の7%~8%OFFで新幹線に乗ることができる、そう考えておくといいかもしれません。
ただ、それでも十分にお得ですよね。
金券ショップで新幹線の回数券を買っても数%程度しか安くなってないことも多いですから。
また、自由席を選択することで、さらに安く新幹線に乗ることもできますよ。
往復割引チケットは払い戻しできる?
往復割引サービスで新幹線のチケットを購入したものの、もし利用しなくなった場合、払い戻しに応じてくれるのでしょうか。
これは、可能です。
有効期限が切れておらず、且つ使用する前であれば、220円の手数料は必要になりますが、払い戻しに応じてくれます。
使用後に関しては、もしまだ使っていない期間が101km以上残っていれば、これも同じく手数料はかかりますが、払い戻すことが可能です。
このケースでは、すでに使用した区間を普通運賃で計算され、その額を引いて残った額を払い戻してもらうことができます。
もちろん、有効期限が切れてないことは必須条件ですよ。
言うまでもありませんが、払い戻しをしてもらったら往復割引サービスは適用外となります。