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新幹線の乗車券と特急券の違いは?料金の仕組みなどをご紹介!

投稿日:2018年6月12日
更新日:

新幹線の乗車券と特急券の違いは?料金の仕組みなどをご紹介!

乗車券と特急券、それぞれの役割とは?

新幹線を利用するなら、新幹線の料金がどのような仕組みになっているのかを知ることが大切です。

新幹線に乗車するには、「乗車券」と「特急券」の二枚のきっぷが必要となります。

新幹線には、乗車券のみで乗ることはできず、また、特急券のみでも乗ることはできません。

「乗車券」と「特急券」を一緒に購入するということが、新幹線を利用するための基本、すなわち新幹線料金の基本となります。

乗車券には乗車券のルールがあり、特急券には特急券のルールがありますので、これらのポイントをしっかり押さえることが重要となります。

そこで今回は、乗車券と特急券のそれぞれの役割にふれながら、新幹線料金の仕組みについて詳しくご紹介させていただきます。

新幹線の乗車券とは?

まずは、新幹線の乗車券について。

新幹線の乗車券とは、「普通運賃」のことです。

JRの普通運賃は、営業キロ(運賃計算キロ)と呼ばれる距離によっていくらになるのかが定められています。

例えば、東京ー新大阪間の営業キロは552.6キロなので、これを普通運賃表に照らし合わせると、8,750円。
東京から新大阪までJRを利用すると、乗車券代(運賃)として8,750円を支払う必要があるということになります。

これが、東京ー名古屋間になれば、営業キロが366.0キロのため、乗車券代(運賃)は6,260円となります。

このように、営業キロ(乗車区間)が長くなれば長くなるほど、運賃は高くなります。

乗車券代(運賃)は距離によって決められているため、乗車する新幹線の座席の種類(自由席・指定席・グリーン車など)の違いによって料金は変わりません。

同じ区間でも、のぞみは到着が早く、こだまは遅いですが、そういった差も乗車券には関係ありません。

どの列車の、どの席に座っても、同じ距離なら運賃も同額。

それは、目的地まで乗客を運ぶことが、乗車券の役割となっているからです。

つまり、乗車券とは、「A駅からB駅まで乗車するならいくら」という、乗車する距離を買うためのきっぷということになります。

そのため、同じ区間なら、新幹線で行っても在来線を乗り継いで行っても乗車券代は同額。ここが「乗車券」の最大のポイントです。

新幹線の特急券とは?

次は、特急券について。

新幹線の特急券とは、「特急料金」のことです。

特急料金は、主に新幹線や特急列車に乗車するために必要な料金となります。

特急券代(特急料金)は、目的地(下車駅)までの所要時間などによって大きな差が出ます。

これは、目的地に到着するまでの乗車時間を短縮することが、特急券の基本的な役割となっているからです。

例えば、「のぞみ」を利用して東京ー新大阪間を移動した場合、乗車時間は約2時間30分で、特急券代(特急料金)は5,700円となります。

これが「ひかり」を利用した場合は、約3時間。「こだま」なら、なんと約4時間もかかりますので、特急券代(特急料金)は5,390円となります。
※ひかりとこだまの特急料金は同額です。

東京ー新大阪間を新幹線で移動する場合、「のぞみ」と「ひかり」・「こだま」との間には310円の差があり、この差額が、時間を短縮するための特別料金となります。

さらに、特急券には、「指定席特急券」と「自由席特急券」の二種類があります。

指定席特急券なら、事前に自分の座席を確保することができますので、「乗車した際に座ることができなかった」というリスクを避けられるのに対し、自由席特急券は、自分の座席を確保していない状態となるので、長い距離を立ちっぱなしで移動するというリスクが残ります。

そのため、自由席特急券よりも、指定席特急券のほうが、特急料金は高くなります。
※自由席特急券と指定席特急券とでは、基本として520円の料金差があります。

つまり、特急券とは、「A駅からB駅まで早く到着したいならいくら」という、乗車にかかる所要時間を短縮するために買うきっぷという側面と、より快適に新幹線を利用するために買うきっぷという側面の、二つの意味があるいうことになります。

そういった理由から、同じ区間でも、どの新幹線のどの座席にするのかという選択によって特急券代は異なり、これが「特急券」の最大のポイントとなります。

乗車券と特急券の両方を買わないといけない理由は?

ここまでのご紹介でお分かりいただいたかもしれませんが、新幹線を利用するには

  • 移動にかかる距離を「乗車券」で買う
  • 移動にかかる時間や快適さを「特急券」で買う

という二つの役割に対してお金を支払う必要があります。

乗車券だけを購入していれば、目的地まで到着することはできますが、場所によっては途方も無い時間がかかります。

特急券だけを購入している場合は、目的地まで到着することすらできません。

このように、乗車券と特急券とでは役割が違うため、両方のきっぷを購入する必要があるのです。

新幹線の乗車券には割引制度があります!

次にご紹介するのは、乗車券の割引制度について。

新幹線の乗車券には、割引制度があります。

主に乗車券が割引となるのは、

  • 往復割引
  • 学生割引

の二つ。

これらについて、それぞれご紹介していきます。

新幹線乗車券の往復割引とは?

まずは往復割引についてですが、乗車券は、同一区間・同一経由の場合、「往復乗車券」として購入することができます。

この「往復乗車券」の片道の営業キロが601キロ以上となった場合、「往復割引乗車券」として行き・帰りそれぞれの運賃を一割引してもらうことができます。

例えば、東京ー岡山間を新幹線で往復する場合、片道の営業キロが732.9キロのため、往復割引が適用されます。

732.9キロの運賃は10,480円ですので、この一割引は9,432円。JRでは10円未満の端数を切り下げるため、実際には片道運賃が9,430円となります。

東京ー岡山・岡山ー東京と片道ずつ購入した場合は割引の適用とはなりませんので、支払う運賃は10,480円×2=20,960円となりますが、往復で購入すれば9,430円×2=18,860円となり、2,100円もお得に乗車券をゲットすることができます。

これが、乗車券の往復割引です。

新幹線乗車券の学生割引とは?

乗車券には、学生割引があります。

学生割引は、指定された中学・高校・大学・専修・各種学校の学生・生徒が、営業キロ片道101キロ以上を利用する場合に、運賃が二割引となる割引制度のことです。

学生割引を適用して乗車券を購入したい場合には、学校が発行する「学生・生徒旅客運賃割引証」が必要となります。

みどりの窓口に並び、これを提示することで、運賃を二割引にしてもらうことができます。

また、学生割引は、往復割引とあわせて適用することができます。

例えば、「学生・生徒旅客運賃割引証」を持つ学生が東京ー岡山間を新幹線で往復する場合、営業キロが601キロ以上なので、まずは往復割引が適用されます。

往復割引は一割引なので、片道10,480円の運賃が、9,430円(10円未満切り下げ)となります。

そこからさらに、学生割引が適用されて二割引になりますので、片道の運賃は7,540円(10円未満切り下げ)。

往復の運賃は15,080円となり、割引されていない運賃の20,960円からはなんと5,880円もお得に乗車券を手に入れることができます。

これが、乗車券の学生割引です。

新幹線の特急券にも割引制度があります!

次に、特急券の割引制度について。

新幹線の特急券にも、割引制度があります。

特急券に適用されるのは、乗継割引です。

新幹線特急券の乗継割引とは?

特急券の乗継割引は、新幹線と在来線の特急・急行列車とを乗り継ぐ場合に適用される割引制度のことです。

乗継割引を適用すると、在来線の特急・急行料金、指定席料金が半額となります。

新幹線から在来線の特急・急行列車に乗り継ぐ場合はその日のうち、在来線の特急・急行列車から新幹線に乗り継ぐ場合は在来線の乗車日またはその翌日という条件がありますので、注意が必要です。

例えば、新幹線「のぞみ(指定席)」で東京から岡山まで行き、岡山から在来線特急「しおかぜ(指定席)」に乗り継いで松山まで行くとします。

特急料金は、東京ー岡山間が6,860円、岡山ー松山間が2,900円。

それぞれを別々に購入すると、合計9,760円を支払う必要があります。

これをまとめて購入すると、乗継割引が適用されて、岡山ー松山間が半額となり、1,450円。

特急券代が9,760円から8,310円までお得になります。

これが、特急券の乗継割引です。

新幹線の乗車券・特急券の買い方は?

新幹線の乗車券・特急券は、駅にあるみどりの窓口や、券売機で購入することができます。

一番安心できる買い方は、みどりの窓口。

窓口の係員と対面で購入することができますので、

  • 乗車日時(6月30日の午前など)
  • 区間(東京から新大阪など)
  • 人数(大人2名、子供1名など)
  • 座席の種類(自由席や指定席など)

などを伝えましょう。

すると、窓口の係員が空席状況などを確認した後に、候補となる列車を列車を教えてくれますので、希望の便を選びましょう。

また、往復割引なども区間の距離を見て適用してくれますので、この点においても安心です。

領収書がほしいときは、その旨を伝えると発行してもらえます。

なお、支払方法は、現金またはクレジットカードとなります。

新幹線の乗車券には有効期間があります!

乗車券には有効期間があるということも、押さえておきたいポイントです。

乗車券の有効期間は、営業キロによって決められています。

下記で表にまとめてみましたので、ご参考ください。

乗車券の有効期間(片道)
100kmまで 1日
200kmまで 2日間
400kmまで 3日間
600kmまで 4日間
800kmまで 5日間
1,000kmまで 6日間
1,200kmまで 7日間
1,400kmまで 8日間
1,600kmまで 9日間
1,800kmまで 10日間

往復乗車券・往復割引乗車券の有効期間は、片道乗車券の二倍となります。

乗車券・特急券の持つ役割を理解して楽しい鉄旅を

いかがでしたか?

今回ご紹介させていただいた内容を簡単にまとめると、

  • 新幹線に乗車するには、「乗車券」と「特急券」の二枚のきっぷが必要
  • 目的地まで乗客を運ぶことが、乗車券の役割
  • 目的地に到着するまでの乗車時間を短縮し、より快適にすることが、特急券の役割
  • 乗車券には、「往復割引」と「学生割引」がある
  • 特急券には、「乗継割引」がある
  • 乗車券の有効期間は、営業キロによって異なる
  • 往復乗車券・往復割引乗車券の有効期間は、片道の二倍になる

となります。

これらのルールをよく理解することで、新幹線の旅がより楽しいものになると思いますので、ご参考いただければ幸いです。

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