
新幹線の切符をキャンセルする方法や手数料は?
旅行や出張のために新幹線切符を購入していたのに、予定が無くなってしまい、新幹線切符が不要になった場合、キャンセルしてチケット代を払い戻してもらうことはできるのでしょうか。
結論から伝えると、新幹線チケットは払い戻してもらえます!
ただし、新幹線チケットの払い戻しには少々複雑なルールがあり、手数料も発生します。
そこで今回は、
- 新幹線のチケットはどこで払い戻してもらえるのか
- 現金やクレジットカードで購入した切符はどのように返金されるのか
- 払い戻しにかかる手数料はいくらなのか
- 損をせず払い戻す方法はあるのか
などを詳しくご紹介していきます。
購入した新幹線の切符をキャンセルする方法や払い戻しにかかる手数料などについて知りたい方は、ぜひご参考ください。
新幹線切符を払い戻したい!キャンセルする方法は?
まずは、新幹線の切符をキャンセルする方法からご紹介いたします。
新幹線の切符は、JRの駅にあるみどりの窓口でキャンセルすることができます。
みどりの窓口は、JRの全ての駅にあるわけではありませんので、「よく使う駅にみどりの窓口はあるのか」「何時から何時まで営業しているのか」を事前にチェックしておきましょう。
- JR東日本:みどりの窓口がある駅を探す
- JR西日本:みどりの窓口がある駅を探す
- JR九州:みどりの窓口がある駅を探す
- JR北海道:みどりの窓口がある駅を探す
- JR東海:きっぷうりばがある駅を探す
※JR東海では、みどりの窓口の名称を「きっぷうりば」としています。
上記のリンク先からみどりの窓口を探すことができますので、ぜひご利用ください。
JR駅のみどりの窓口に到着したら、払い戻しを受け付けている窓口に向かいます。
※比較的大きな駅にあるみどりの窓口では、新幹線切符の購入・変更専用窓口・払い戻し専用窓口・定期券購入専用窓口というように、窓口を分けていることがありますので、注意しましょう。
※窓口を分けている場合は案内が出ていますので、自分が並んでいるレーンが払い戻し専用かどうかを確認すると安心です。
払い戻し窓口で、不要となった新幹線切符を係員に渡し、払い戻したい旨を伝えます。
すると、係員が新幹線をキャンセルし、払い戻し手数料を差し引いた金額を返金してくれます。
新幹線切符をキャンセルする方法は、たったこれだけです。
みどりの窓口に新幹線切符を持っていくだけですので、簡単ですね。
※クレジットカードで購入していた場合、決済に使用したクレジットカードも必要となります。
新幹線切符を現金で購入していた場合、どう返金される?

現金で支払っていたら現金で返金!
新幹線切符を現金で購入していた場合、払い戻しも現金で行われます。
新幹線のチケット代から払い戻し手数料を差し引いた金額を、係員から現金で返してもらうことができます。
新幹線切符をクレジットカードで購入していた場合、どう返金される?

クレジットカードの返金は時間がかかる!
クレジットカードで購入していた場合、払い戻しもクレジットカード会社を通すことになります。
払い戻し手続きをした際に、JR側からクレジットカード会社へ、利用金額の変更データを送ります。
受け取ったデータをクレジットカード会社が処理をして、カードの利用金額から相殺されて返金されるという仕組みです。
そのため、窓口で払い戻しをした当日に返金されるわけではなく、データの処理に時間がかかったり、クレジットカードの締め日をまたいでしまうと、利用金額から相殺されるのが2~3ヶ月後になるという状況も考えられます。
クレジットカードで返金を受ける場合は、返金の時期が遅くなってしまうかもしれないということを頭に入れておきましょう。
本サイトの「新幹線チケットはクレジットカード払いでお得に!注意点や払い戻し方法もご紹介」という記事の中にある「クレジットカード払いで購入した新幹線チケットの払い戻し方法は?」という項目でご説明させていただいておりますので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参考ください。
クレジットカード払いについて詳しく知りたい方はこちら!
新幹線回数券はキャンセルできる?
新幹線の回数券を、チケットショップや金券屋などで安く購入した人もいるのではないでしょうか。
新幹線の回数券に関しては、すべての枚数(ほとんどの場合で6枚セット)が揃っていれば、払い戻しが可能です。
セットではなく、バラバラになってしまった回数券の場合は、払い戻しの対象とはなりません。
1枚でも欠けていれば、払い戻しはNGであると思っておきましょう。
購入時にはこの点にも気をつけながらチケットショップを利用するようにしてください。
新幹線チケットの払い戻しルールと手数料は?
次に、新幹線チケットの払い戻しルールと手数料についてご紹介します。
新幹線を利用するためには、乗車券の他に特急券が必要となりますが、この乗車券と特急券とで払い戻しのルールや手数料は異なります。
種類 | ルール | 手数料 |
---|---|---|
指定席 特急券 グリーン券 |
使用開始前で列車出発日の2日前まで | 330円 |
使用開始前で列車出発日の前日から出発時刻まで | 30% 最低330円 |
|
自由席 特急券 |
使用開始前で有効期間内 | 220円 |
乗車券 | 使用開始前で有効期間内 | 220円 |
使用開始後で有効期間内、未使用区間の営業キロが101キロ以上 | 使用済み 区間の運賃 + 220円 |
上の表は、払い戻しのルールと手数料をまとめたものです。
指定席の切符を取っていて、払い戻しをするタイミングが乗車予定日の2日前までなら、指定席特急券の330円と乗車券の220円を合計した550円が払い戻し手数料となり、新幹線チケット代から払い戻し手数料の550円を差し引いた金額を返金してもらうことができます。
自由席の切符は、自由席特急券の220円と乗車券の220円を合計した440円が払い戻し手数料となります。
特急券の払い戻しで気をつけておきたいルール
指定席特急券やグリーン券、自由席特急券などは、使用開始前に限り、払い戻しが可能です。
使用開始前とは、自動改札機などに切符を通す前の、未使用の状態のことを指します。
一度でも改札を通ってしまうと、特急券は払い戻すことができなくなります。
特急券の払い戻しは使用開始前に限るというルールがあるため、例えば新幹線で東京駅から新大阪駅まで行くつもりが、乗車後に予定が変わり名古屋駅で降りることになっても、利用しない名古屋駅から新大阪駅までの区間は放棄したことになり、払い戻してもらうことはできません(下図)。

特急券の払い戻しはルールが厳しい!
また、指定席特急券やグリーン券は、払い戻しのタイミングで手数料が変動します。
乗車日の2日前までなら一律で330円ですが、前日または当日になると、30%になってしまいます。
払戻手数料 | 払い戻し金額 | |
---|---|---|
2日前まで | 330円 | 5,370円 |
前日・当日 | 1,710円 | 3,990円 |
※東京ー新大阪駅間の特急券代は5,700円です。
上の表の場合では、2日前までなら5,370円を払い戻してもらえていたところが、前日や当日になると3,990円しか払い戻されなくなってしまいます。
なんと、1,380円も損をしてしまうことに!
指定席特急券やグリーン券の払い戻しを考えている方は、なるべく早いタイミングでみどりの窓口に向かうことをおすすめします。
ちなみに、指定席特急券やグリーン券を前日または当日の出発時刻前までに払い戻す場合の手数料は30%とご案内いたしましたが、払い戻し手数料の最低額は330円です。
払戻手数料 | 払い戻し金額 | |
---|---|---|
2日前まで | 330円 | 670円 |
前日・当日 | ⇒330円 |
670円 |
上の表のように、特急券代の30%が300円であっても、最低額は330円なので、払い戻し手数料は330円支払うことになります。
自由席特急券の場合は、使用しておらず、有効期間内であれば、220円の手数料を差し引いた金額を払い戻してもらえます。
有効期間は切符の券面に記載されていますので、必ずチェックするようにしましょう。
有効期間を過ぎてしまうと、払い戻しの対象外になってしまいますよ!
新幹線切符を当日にキャンセルする場合は要注意!

新幹線が出発する前までが期限!
当日に指定席特急券を払い戻す場合は、もう一つ注意したいポイントがあります。
それは、乗車予定の新幹線が出発してしまうと、払い戻しができなくなること。
当日でも払い戻すことはできますが、乗車予定の新幹線が出発する前までが条件となっています。
乗車当日に払い戻しをされる方は、みどりの窓口の混雑状況なども考えて、時間に十分な余裕を持って払い戻し手続きを行うようにしましょう。
乗車券の払い戻しで気をつけておきたいルール
乗車券は、有効期間内で使用開始前であれば220円の手数料を支払うことで、払い戻してもらうことができます。
そして、特急券とは違い、乗車券は使用開始後、つまり改札を通った後でも、払い戻しに対応してもらうことができます!
ただし、使用開始後の払い戻しには、未使用区間の営業キロが101キロ以上というルールがあります。
例えば、新幹線で東京駅から新大阪駅まで行くつもりが、乗車後に予定が変わり名古屋駅で降りることになっても、利用しない名古屋駅から新大阪駅までの区間の乗車券代を払い戻してもらうことができます(下図)。

乗車券は101キロ以上あれば払い戻し可能!
上の図のような場合であれば、
金額 | |
---|---|
東京-新大阪 | 8,750円 |
東京-名古屋 | -6,260円 |
手数料 | -220円 |
払い戻し | 2,270円 |
このように、実際に利用した区間の乗車券代と払い戻し手数料の220円を差し引いた金額を払い戻してもらうことができます!
特急券はこういった状況になっても泣き寝入りするしかありませんが、乗車券は払い戻してもらえますので、みどりの窓口で手続きしましょう。
なお、乗車券は、使用開始前、使用開始後、どちらの場合でも、乗車券の有効期間内でしか払い戻しができません。
有効期間は券面に記載されていますので、払い戻す必要が出てきたら必ずチェックしましょう。
各種割引サービスを利用して購入した新幹線チケットの払い戻しはどうなる?
上で紹介した例は、ごくごく一般的なもの。
新幹線の切符は、一部割引サービスを利用して購入することもできるため、少しだけ割引サービスを利用した場合の払い戻しにもふれておきたいと思います。
のぞみ早特往復切符の払い戻し手数料はいくら?
最初に例として上げるのは、のぞみ早特往復切符。
のぞみ早特往復切符は、東海道・山陽新幹線で扱われている割引サービスで、通常の切符同様に払い戻しに応じてもらうことができます。
ただ、そのための手数料が異なってくるのです。
出発の2日前までにキャンセルを申し出た場合は、乗車券で220円の手数料がかかり、それに加えて特急券で330円の手数料がかかるため、合計で550円。
往復切符ですから、それに2を掛けて1,100円の手数料が必要となります。
出発の前日や当日にキャンセルする場合には、乗車券の220円に加えて割り引きされる前の特急料金から30%の手数料がかかり、こちらも往復分の手数料を支払わなければいけません。
えきねっとトクだ値の払い戻し手数料はいくら?
JR東日本では、通常の料金と比べて割安で新幹線の切符が購入できるえきねっとトクだ値サービスを提供していますが、こちらの場合はどうなるのでしょうか。
切符を受け取る前の申請であれば、指定席一席で310円の手数料がかかります。
指定席二席の予約なら、倍の620円かかることになりますが、これを見ると、通常の新幹線切符の払い戻し手数料よりも安いことがわかります。
しかし、切符を受け取った後にキャンセルを申請した場合は、通常の料金と比べてどの程度の割引が適用されているかによって、払戻手数料が変わってくるので注意が必要です。
15%割引されて購入したのであれば、手数料も15%分かかり、30%割引されて購入したのであれば、手数料も30%かかることになります。
一例を挙げれば、東京と盛岡間では「お先にトクだ値」と呼ばれる割引切符が販売されていますが、これは通常価格の25%割で購入することができるため、もしキャンセルするとなると、払戻手数料を25%分支払う必要が出てくるのです。
具体的には、11,200円で切符を購入し、受け取った後に払い戻しをするとなると、11,200円の25%で2,800円を支払わなければ払い戻しに応じてもらうことができません。
切符を受け取る前であれば310円で済むわけですから、この差は非常に大きいです。
キャンセルの可能性も考え、この種の新幹線の割引切符の受け取りは当日にした方がよさそうです。
その他の割引サービスの払い戻し手数料は?
他にも新幹線の切符を通常価格よりも安く手に入れる方法はいくつかあります。
例えば、JR西日本・九州の「スーパー早特きっぷ」は、その切符を受け取る前であれば払い戻し手数料は550円(乗車券 220円、特急券 330円)となっており、切符を受け取った後は、通常の切符と同じ分だけのキャンセル料を支払わなければいけません。
JR東海エクスプレスの「EX-ICサービス」に関してですが、これは、予約した切符の新幹線が出発するまであれば310円の手数料で払い戻してもらうことが可能です。
割引サービスを利用するときは払い戻しルールをしっかりチェック!
このように、割引サービスを利用した新幹線チケットは、通常の新幹線チケットと払い戻しルールが異なる場合があります。
払い戻しをするかもしれない可能性を考慮して、サービスをうまく利用しましょう。
新幹線切符の払い戻し手数料は無料にすることができる!?
ここまで新幹線切符の払い戻しについてご紹介をしてきましたが、最後に、払い戻し手数料を無料にすることができるスゴ技をご紹介したいと思います。
実は、新幹線の特急券と乗車券は、最初の一回に限り、手数料なしで変更することができます。
変更は、みどりの窓口で行います。
変更できる内容は、
- 乗車日時
- 乗車区間
※東京~新大阪→京都~金沢など - 列車の種類
※東海道新幹線「のぞみ」→東北新幹線「はやぶさ」など - 券種
※指定席特急券→自由席特急券など
といった具合に、変更するときにJRが販売しているどの列車でも可能です。
そのため、新幹線から在来線特急列車に変更することもできます。
差額は精算されますので、変更後のチケット代が変更前より高くなるときは差額を支払い、安くなるときは手数料無料で払い戻されます。
特急券の場合、変更するためには使用開始前であることが条件となります。
乗車券の場合、使用開始前はもちろんのこと、使用開始後でも差額を支払えば変更が可能です。
この「手数料無料で変更一回可能」のルールを使えば、こんなことができます。

新幹線から特急列車に変更!
新幹線を利用して、新大阪から東京旅行をする予定があり、上記の図のような切符を購入していたとします。
利用する新幹線はのぞみで、時期は通常期とすると、指定席特急券は5,700円。乗車券は8,750円で、合計14,450円を新幹線チケット代として支払っています。
※新幹線には、通常期・繁忙期・閑散期があります。
※繁忙期の特急料金は、通常期の200円増しとなります。
※閑散期の特急料金は、通常期の200円引きとなります。
ところが、東京旅行の予定が金沢旅行に変更になり、購入済みの新幹線チケットが不要に!
通常なら、このタイミングで払い戻し手数料を支払って、払い戻しをするかと思います。
しかし、今回は金沢旅行という別の予定があります。
そのため、払い戻しではなく、変更一回限り無料をフル活用しましょう!
指定席特急券は「新大阪ー東京」から「京都ー金沢」に変更。
「京都ー金沢」は在来線特急列車サンダーバードの指定席を利用して2,900円なので、「新大阪ー東京」5,700円との差額2,800円が返金されます!
乗車券は「大阪市内ー東京都区内」から「京都市内ー金沢」に変更。
「京都市内ー金沢」の乗車券は4,000円なので、「大阪市内ー東京都区内」8,750円との差額4,750円が返金となります!
つまり、手数料がかかることなく0円で、不要な新幹線チケットを必要な切符に変更することができ、しかも合計7,550円が返金されるということです!
いったん払い戻してしまうと、こんなにお得になりません。
乗車券220円・特急券330円の合計550円の手数料がかかるため、新幹線チケット代14,450円から差し引くと返金されるのは13,900円。
そこから京都ー金沢の特急列車チケット(6,900円)を購入するため、手元に残るのは7,000円となり、一回無料で変更した場合と比べると550円も損をしてしまいます。
しかも、払い戻しをするのが前日・当日になってしまうと、乗車券220円・特急券1,710円(5,700円×30%)の合計1,930円が手数料としてかかるため、新幹線チケット代14,450円から差し引くと返金は12,520円。
特急列車チケット(6,900円)購入した後に手元に残っているのは5,620円なので、一回無料で変更した場合と比べると1,930円も損をすることになります。
「新幹線チケットは不要になったけれど、まだ別の予定がある」という場合には、変更無料のルールを利用して、払い戻し手数料を0円でお得にすることができます。
ちなみに、上記の例では指定席特急券→指定席特急券という変更を行っていますが、指定席特急券→自由席特急券という変更もOKです!
ただし、乗車券は乗車券、特急券は特急券にしか変更できないので、その点は押さえておきましょう。
ルールを頭に入れながら払い戻しを申請しましょう
新幹線切符の払い戻しに関するルールや手数料についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたか。
ここまでご紹介した内容を簡単にまとめると、
- 新幹線切符の払い戻しは、みどりの窓口で手続きする
- 新幹線切符を現金で購入していた場合、払い戻しも現金で対応してもらえる
- 新幹線切符をクレジットカードで購入していた場合、払い戻しもクレジットカード会社を通しての返金となる
- 新幹線回数券はセットでないと払い戻しできない
- 特急券は、使用してしまうと払い戻しできなくなる
- 指定席特急券・グリーン券の払い戻し手数料は330円(前日・当日は30%)
- 指定席特急券・グリーン券は指定している列車が出発してしまうと払い戻しできなくなる
- 自由席特急券の払い戻し手数料は220円
- 乗車券の払い戻し手数料は220円
- 乗車券は使用してしまっても未使用区間が101キロ以上あれば払い戻すことができる
- 不要になった切符を使う予定の切符に変更すれば払い戻し手数料は0円になる
となります。
このようなルールを頭に入れておけば、キャンセルするときに、損を最小限に抑えられ、行動に移しやすいはずです。
できるだけ損をしないよう、ルールをしっかり頭に入れながら新幹線を利用しましょう!